時間が過ぎていき、とうとう自分の番まで来た。

「次ー。松樹美優!」
「…えっと
松樹美優です。
高校の時はつんって呼ばれてました。
気軽に呼んでください。」
「「つんー、つんちゃーん」」
「えっ!あ。はい…」
「「かわいいー!」」

思わず呼ばれ焦る。
もう帰りたい…

「えっと…
第一印象が怖いとか何考えてるかわからないって言われます。
実際、怖くないし単純なので話しかけてください。」
「つんーつんーつんつん」

さっきからずっと連呼してる人がいる。
恥ずかしい。
時間がまだあるようだ。
考えて出た言葉が

「あ。あの…
よく1人でいることが多いけど、別に1人が好きってわけじゃないんで…
えっと…
友達…募集してます…」

恥ずかしい。恥ずかしい。
あれ?
大学では友達作らないんじゃなかったっけ。
その場だけの関係じゃなかったっけ。
その考えは変わらないはずなのに。
でも言葉に出してしまった。


なんとか乗り越え今日の授業が終わった。
帰り際、何人かに声かけてくれた。

「つんちゃんだー。ばいばい。また明日ね!」
「うん!ばいばいー」

これだけの些細なやり取りだったけど嬉しかった。
言ってよかったのかもしれない。