「詩織ー‼︎はーやーくーっ‼︎遅刻しちゃうよー‼︎‼︎」

そう言って私を急かす親友、鈴木優菜[すずきゆうな]。

「わかってるっ…‼︎ちょっと…まって…‼︎」
そう、今私達は遅刻寸前。

昨日、華の女子高生となった私‼︎

憧れだったあの''桜田学園”に見事合格し、可愛い制服に見とれていたら…。

まさかの遅刻‼︎

そんなに時間たってるなんて思ってなかったんだもーーーんっ‼︎‼︎

「もー‼︎遅い‼︎」

「へっ⁉︎」

そう言って私の腕を掴み、走る優菜。

優菜は中学生の時に陸上部だったから余裕だろうけど、部活に入ってなかった私はもうヘロヘロ…。

私の家は桜田学園から15分くらいのところにあるからそこまで遠いわけじゃないんだけど、ずっと走ってたらさすがにキツイっ‼︎‼︎

優菜ったら鬼だーっっ‼︎‼︎

なんて考えていたらいつのまにか学園が目の前に。

「はぁー。やっと着いた‼︎」

そう、呆れ顔で言う優菜。

「あー‼︎よかったー‼︎まだ遅刻じゃないよねっ⁉︎」

「あと5分…‼︎ちょっ、詩織‼︎早く‼︎」

「えっ⁉︎ま、まって‼︎」

パシッー

またまた私の腕を掴んで学園内に入っていく優菜。

1年生のクラスは1階だから、走りはしなかったけど、急いでいるから早歩き。

それだけでもヘトヘトな私にはキツイ…。

そんなことを思ってるうちに教室に着いた。

そういえば、私と優菜は同じクラスなんだ‼︎

だから友達作りで困ることはなさそう‼︎

優菜がいれば安心だーっ‼︎‼︎

「ちょっと‼︎早く行くよ‼︎なにを妄想してるのか知らないけど、こっちまで被害でるから‼︎」

ちょっと優菜‼︎

「失礼なっ‼︎妄想なんてしてないよ‼︎」

「いいから‼︎席つくよ‼︎」

「はーい‼︎」

私の席は優菜の後ろだから、本当にラッキー☆

キーンコーンカーンコーンー♪

おっ‼︎ギリギリセーフ‼︎

まだ担任も来てなかったからよかったー。

「ギリギリセーフだったね。全く、入学早々遅刻ギリギリとかありえないから‼︎」

「ご、ごめん…」


「今度からはちゃんとしてよね‼︎今度こそ詩織が遅かったら先行くからね‼︎」

「わかってるよー‼︎」

優菜は相当怒ってるらしい…。

今日一日優菜の気に触るようなことを言ったら本当に壊そうだから気をつけなきゃ…。

そして、いつのまにか担任が来ていたのか、一時間目が始まった。