『ありえなくねぇよ。』
ぽんっとモリさんの文字が表示された。
たったこれだけの言葉に、私は安心してしまう。
何度も何度も、私は変なんじゃないかと思った。
顔も声も何も知らない人を好きになってしまう。
文字だけの関係なのに。
『すきって、仕方ないことだと思う。』
モリさんが続けてそう言った。
シマさんがすき。
理解すればするほど、言いたくなる。
モリさんにもそんな人がいるんだろう。
『私、シマさんに触れたい。』
自然と打たれた文字だった。
恥ずかしくなって消したくなったけど、もう遅い。
返事が来てしまったから。
『シマさん、滋賀県だよ。』

