コンコン

誰かがドアをノックして、私は目が覚める。
いつも通り、私の身体はパソコンの椅子の上。

「今日は学校行くの?」
「行かないよ」

私はきゅっと唇を噛んだ。
ドアから聞こえたのは、姉の声。
こうやっていつも、私に声をかけてくる。

「明日は?」
「…行かない」

私の部屋は暗かった。
カーテンは締め切り、部屋の電気はついていない。

私は、パソコンに電源を入れた。

「お姉ちゃん、早く行きなよ」
「う、うん…」

トントンと階段を降りる音がしたので、私はホッとした。
パソコンが立ち上がる。

ディスプレイの明かりだけが、部屋に満ちていた。