「なんか眠いなあ。肌寒いし」


「そうだね。今日は秋っぽいね」


「また熱出すなよー?」


「大丈夫よ。...でもなんで、寄り道しようとか言い出したの?」


「ん?んー...なんとなく」


「なんとなくって...」





...ああ、そういうことね。

大地のことだから、きっとあたしのこと気遣ってくれたんだろうな。






少し歩くと、いつもの家への帰り道へ繋がる横断歩道へ着いた。

ここの辺りは人通りが少なくて、周りにはあたしたち以外誰もいなかった。




信号が赤だったので、一応止まっているけれど。

車なんて通る気配もなく、これぐらい無視してもいいんじゃないだろうか。



秋の虫の声がする。
まだ9月でもないのに、今日は本当に秋の日だ。





「......理沙」


「?」


「.........」


「...なに?」