「......」


「......」


「...なあ」


「?」





沈黙を破ったのは、大地だった。

立ち止まった大地は、あたしを真っ直ぐに見つめていた。





「少し、寄り道しよう」













大地の突然の誘いを、断れることもなく。

ひとけのある道へ出て、色々なお店に立ち寄った。
なにも買ったりはしなかったけれど。




時計を見れば、もう19時を過ぎていた。





「大地」


「?」


「もう19時過ぎてるよ。ここから家まで少しあるし、そろそろ行こう」


「...うん」






本当は、ずっと帰りたくなんてなかったけれど。


つい先程、「そろそろ帰ろう」と決心したんだ。
これ以上大地といては、その決心がそろそろ折れそうになった。