「顔……熱いし……。」



遥は私の頬に手の甲を当てながら


そう呟いた。





そんなの……遥が触るからだよ。





「…………。」



「なんで黙ってんの。」



「…………。」



「潤んだ目とかって誘惑にしかとれないんだけど。」




誘惑……




してたつもりじゃないけど……。




もっと触れたい。







いつもなら「ふざけんな!」とか言って騒いでるところだけど、


今はそんな気分にはなれない。






自分のおでこを遥の胸にコツンと当てた。