「もういい。 時間かかんだろ。」 「え……だって……。」 そのまま手首を強く引かれ、 私は勢い余って遥の胸に飛び込んでしまった。 「は、遥……?」 ドキドキドキドキ… 心臓うるさい!! 「入れ。送る。」 「え、あ、うん……。 あり、ありがと……」 ぶっきらぼうなそんな言葉にも私の胸は跳ね上がる。 お互いカバンを外側に持ち、 遥が片手で傘を真ん中にさす。 時々、私の右肩と遥の左肩がぶつかる。 ヤバい……。 顔真っ赤……。