ま、まさか……。 何か怪我して病院に運ばれたとか……? 不審者に連れ去られちゃったとか……? 遥、弱そうだし有り得る。 だんだん焦りが大きくなっていく。 「……は、遥……」 呼んでみても返事はない。 私は立ち上がり、廊下に出た。 恐る恐る歩き出す。 「……遥ー……」 暗くなった廊下で何回も遥の名前を呼ぶ。 遥に何かあったらどうしよう。 私が寝てたりなんかしたからだ……。 目には涙が溜まり始めていた。 「……遥……」 その時、校舎の外を人影が通った。