大丈夫。
いつもの冗談だ。
こんな真面目な雰囲気で言うからビックリしただけ。
きっとこの後
「だよな~」
とか言って笑うはず……。
「……お前……
学年合宿で酔ったときのこと沢北から聞いたのか?」
「あ、うん……。
ジュースと間違えてお酒飲んで……。
結構酔ってたって。」
「お前のこと、
部屋まで運んだの俺。」
「えっ!
じ、自分で戻ったんだと思ってた……
ご、ごめんね。重かった?」
「うん。」
でしょーね。
言うと思ったよ。
「んでさ、その時お前、何言ったか覚えてる?」
「な、何か言ったの……?」
唾をごくりと飲み込む。
観覧車はまだ、
頂上への道のりの半分も行っていなかった。



