「俺、好きだよ。雪羽の弁当。いつも豪快で」 そう言って、柊が笑う。 笑いながら言うってことは、からかってるってことじゃん。 あたしは、自分のお弁当を隠すようにシートの上から両手で抱えて、大きな唐揚げをフォークで指して頬張った。 ハムスターが頬にたくさんひまわりの種を溜めるみたいに、頬を膨らせて食べると、柊がハハハと爽やかに笑った。 それを見たハルが、安心したかのように笑う。 ハルのあたしへの気遣いが感じられて、あたしはハルに向かって小さくお辞儀をした。