白い恋の結晶~キミへと続く足あと~



マキとの握手が終わると、ハルが早くしろと言わんばかりに自分の手を顎で指した。


強く、ハルの手を握る。


「ハルがきちんと卒業出来ますように。あ、その前にきちんと進級できますように」


「おい……。まるで神社の鈴を鳴らすように俺の手を振るな」


おまけにあたしが顔の前で手を合わせて一礼すると、あたしの隣にいたマキがお腹を抱えて爆笑した。


ふと……。


また掲示板が気になって見上げる。


不思議なことに、さっきまでは確かに生徒の名前がたくさん書いてあった掲示板なのに、今見上げた時には、ただの白紙に見えたんだ。


そんなことあり得ないのに、あたしには、あるひとりの名前だけが浮かび上がって見えていた。


2年5組 古賀 柊。


はっきりと、彼の、柊の名前が……。