「わかってんじゃん」 フワッ……。 微笑んだ柊が、あたしの頭を用紙で叩いてきた。 フワっと触れた用紙の静電気に反応して、髪が少し浮く。 手で整えると、柊はとても優しく目を細め口角まで上げた。 マキ……。 ダメだ……。 あたし、やっぱり聞けないかもしれない。 だって、あたしが下手に確認して、面倒くさい女だと柊に嫌われたらどうする? 今はこんなにあたしにステキな笑顔を見せてくれるのに、それがなくなったら、あたし、生きていけない。 当分、聞けないかもしれないよ……。