久しぶりに、柊に告白された時の夢を見た。


柊が転校して会えない間中、何回か見たことはあったんだけど、本当に久しぶりだった。


あの頃の笑顔は、もうあたしに見せてくれないのかな……。


始業式の翌日、懐かしい夢の余韻に浸りながら自分の部屋のスタンドミラーの前で制服に着替えた。


グレーのスカートはウエストでひと折りしてひざ丈に、そして、シャツに赤いリボンを付けグレーのジャケットを羽織って『よし』と気合を入れる。


今日は、新学期早々テストがあるから。


春休みの課題を適当に終わらせテスト勉強をあまりしていなかったので、不安で仕方がない。


それに……柊がいるし。


また柊が戻ってくるって知ってたら、もっと真面目に勉強してたのに……。


クラスの順番が、柊にバレてしまう……。


やっぱり好きなんだと再確認してしまうと、急に周りの目が気になるものだね。


自分の外見はもちろん、性格も、成績だって……。


相手の目に、自分がよく映って欲しいから。


あたしは家を出る前に、玄関の靴箱の上に置いてある鏡で前髪を整えた。