あたしが眉間にシワを寄せながら言うと、柊は楽しそうに声を上げながら笑った。


あたし達は、高2の冬に離れてから、ずっとラインのテレビ電話で顔を見ながら話をしていた。


だから柊と離れていると感じたことはないし、寂しさも感じなかった。


そりゃ、時々柊の温もりに包まれたい時はあったけど、顔を見て話をしたら、それだけで心が満たされたんだ。


だからこうやって1年ぶりに再会しても、ぎこちなさや気まずさは全くなかった。


「荷物、俺が持つよ」


「ありがとう」


柊がサッとあたしのキャリーバックを引いてくれる。


「とりあえず、荷物をコインロッカーに預けようか。雪羽、こっち」


ここの土地勘が全くないあたしは、柊の指示通りちょこまかと彼の後ろについていく。


柊の背中がとても大きい


身長、また伸びた?


どんどん、柊が大人な男性になっていって、心臓がついていかない。


“好き”がどんどん膨らんでいって、そのうち、心臓が破裂してしまうかもしれない。


柊があたしの荷物をコインロッカーに預けてくれて、身軽になったあたし達は、何の躊躇いもなく手を繋いだ。