白い恋の結晶~キミへと続く足あと~



ふたりが気づいたかどうかは、わからない。


マキは中学から一緒だから、あたしが柊と付き合っていたことは知ってるし、ハルだって……。


ふたりが何も言ってこないってことは、柊の名前に気づいていないんだ……。


でも、本当に柊?


それとも、ただの同姓同名?


2階の教室に向かうまで、あたしの心臓は尋常じゃない速さで鼓動を打った。


緊張と不安がない交ぜになり、心臓が鼓動を打つ度に痛みが走る。


手の平には冷や汗を握り、新学期へ向けてワクワクと足取りの軽いふたりについて行くのに必死だった。


「どうしたの?」


2年5組のドアの前でピタリと立ち止まったあたしを、マキが不思議そうに覗き込んでくる。


「あ、ううん。ちょっと、緊張して」


首を横に振って曖昧に答えると、ハルとマキが同時に吹きだした。