困惑する彼女を連れてマンションへと戻

るが、警戒してなかなか入ろうとしない

彼女。


それはそうだろうな…


そんな彼女だから…俺は彼女がほしい。


部屋に着替えを用意し、彼女に着替える

ように促し外でタバコを吸って待ってい

た。

透けて見える胸…目が離せなかった。

あの胸に触れて彼女にキスをする自分が

頭の中をよぎった。

危ないのは俺自身だ…


外は妄想にふけっている間に雨も落ち着

きポツポツと小ぶりに変わってきた。


着替えを済ませうつむき加減で出てきた

彼女…


ぶかぶかのTシャツにスゥエット姿がか

わいい…やばいだろ。


慌てて背を向けた。


このままじゃ抑えが効かない。


早く彼女を帰さないと今にも彼女を押し

倒しそうだ。


自分を戒めるように言葉を発した。


「いらないから捨てていい。もう、帰れ

ば…」


送っていくつもりだったのに追い払うよ

うな言い方をしてしまう。


帰って行く彼女を見送るが泣きそうな顔

が目に焼き付く。


俺が泣かせたのか?


そう思うと足が勝手に彼女を追いかける

が、目の前で彼女がエレベーターに消え

て行ってしまう。


閉じようとする扉に手を差し込み彼女を

連れ戻すと、やはり涙目でいた。


泣かせるつもりじゃなかったんだ。


ごめんと心でつぶやき彼女を引き寄せ腕

の中に抱きしめる。


「泣いてなんかいない」

強がる彼女。


怒った顔も笑っている顔も泣いている顔

、どんな表情も俺だけに向けてほしい。

こんなに愛しいなんて…


限界だ…そう思った瞬間、唇に触れてい

た。


身体中が彼女を求めている。


彼女の手をとり部屋の中で彼女に溺れ、

何度もキスをしてふっくらとした唇を堪

能しているとほのかに香る香りが俺を虜

にしていく。


もう止まらない。


彼女の口から漏れる艶のある声をもっと

聞きたくて意地悪く焦らすと可愛らしく

反応する。


拓海って呼べよ。


俺の名前を読んで欲しい。


そういえば、彼女の下の名前はなんだろ

う。


冷静に考える自分がそこにいた。


彼女の名前を聞き出し


「奈々」


こんなに俺を夢中にする彼女の方が意地

悪だ。


まだまだ、足りない。


味わってしまった肌に、温もり、彼女を

もう、離せない。