約束のお店にはまだ男性陣は来ていないらしく、緊張していたらしい肩の力がすっと抜けた。

茉奈夏ちゃんと楓ちゃんはアルコールの低いカクテルをオーダーしていたけど…


私はお酒に弱い…らしいからと楓ちゃんに烏龍茶をオーダーされた。



いつもの女子会みたいな感じで喋っていたところで扉が開いた。




「大和くーん 遅いよ~」


楓ちゃんの声にごめんごめんと謝りながらさりげなく隣に座る大和くんは紳士的だな~と思って眺めていたら

隣から視線を感じ…振り向くと意外と近くに男の人が座っていて頑張って笑おうとした。



「緊張してるの?」

ふと隣の人が話しかけてきた。

「ふえ!?あ、はい」

「ふーん。ちょっとは肩の力抜きなよ…そんなに緊張するほどの雰囲気じゃないんだから」

「…そう、ですね…」

そういわれると…確かに思わず苦笑いをする


その様子を横目で見ていたらしい彼は
言葉を告ぐ。


「…アルコール飲めないの?」

「楓ちゃんに弱いんだから飲んじゃダメって言われたので…」

「ふーん」

「あ、私は気にせず飲んでください。」

「ああ…そのつもりだけど」

「う、ですよね」

きっと赤くなっているであろう顔を下向けるとすぐに頭上から声がふってきた。