「今帰り、急患入ってさ」

「ふーん、お疲れ」

「ところで」

「……」

「どーよ」

「なにが」

「あの子、お前の彼女」

「ちとせ?がなに」

にやにや、その効果音がピタリとはまる笑い顔。
その顔にむかついて、無視してやろうとPCに向き合った。

「あの千種が夢中になる子ってどんな子か興味湧くだろ?」

「お前は気にしなくていいというかするな、絶対に」

「おお怖い怖い。あーいう子がタイプだったから今まで、」

「仕事終わったならさっさと帰れ、邪魔だ」

「はいはい、ちとせちゃんにあったときお前のことイロイロ教えてやろーっと」

言うだけ言うと、俺の言葉も聞かないまま颯爽と帰っていった。

「……本当に何なんだあいつ」

ぽつり、呟きを落とすとますますちとせに会いたくなった、、気がした。