あまにばす


カフェに着くと、優は嬉しそうにメニューを見始めた。

デザート面だけ。

「ほんとにご飯食べないの?」

「え、だからご飯じゃない」

優は何を言っているんだという表情で首を傾げる。
大丈夫なのか?
そんなので。

「決まった?」

「優は?」

「えっとね、紅茶とガトーショコラ」

「、、、それだけ?」

「うん。ダメ?」

ダメとかじゃなくてさ、そこじゃなくてさ。

「本当、何でそんな食生活でそんなに細いんだか」

「外食のときだけよ。こういうの食べるの。それに細くない」

「いや細いって。、、、ねえ、そっち行っていい?」

「あ、うん」

僕は優の隣に行き、メニューを覗き込む、、、ふりをして腰に手をまわす。

「ちょっ、遊君!」

「ん?なに?」

「手!」

「ダメ?どうせみんなと合流したらまたツンツンの優になっちゃうでしょ?今だけ。優がおとなしくしてたら分からないって」

なんてね。多分、少しよく見ればすぐ分かるだろうね。

「〜!もう、好きにしたら?早く決めて。、、、私のも一緒に注文してね?」

「注文するの苦手だもんね」

僕が相手なら普通に話せるけど、知らない人が相手だと、声が細くなっちゃって聞き取ってもらえなくなっちゃうんだ。

「、、、分かってるでしょ?」

「そりゃあ、ね。ああ、あと、ここが弱いのとかも分かってる」

そ腰にまわした手でそっと撫でながら、反対の手で耳の後ろを撫でる。

「んっ、、、ちょっと、、、やめ、、、遊っ」

静止する優の声は、ただ僕を煽るだけで。

「遊っちょっと、んん、、、」

「へえ、今日はピアスしてるんだ。真面目なのに、これだけは校則違反でも開けてるよね、、、お母さんがしたんだっけ」

「イヤリングっより、デザインがいいものが多いからってっ、学校、では、ちゃんと隠してる、しっ、、、んぅ、、、遊、本当、もう、やめ、て」

ああ、ダメだ。本当に止まらなくなる。

僕は、一度優を抱きしめてから、解放してあげた。

「さ、注文しようか」

僕は、なんでも無いふりをして店員をよび、優のも一緒に注文した。

その間、優はずっと赤くなった顔を手でぱたぱたとあおいでいた。

可愛いなあ。
あの店員に見られて無いよね?