「映画?」
唐突なお誘いはいつものこと。
ただ、珍しいのは、場所が教室だってこと。
たいてい図書室でするのに。
「そう。今度行かない?クラスのみんなで行くんだ。ダメ、かな?」
ああ、そういうこと。
「ダメ、じゃないけど。時間とかは?」
「あーいや。まだ決まってない」
「そう。じゃあ、決まったら教えて?」
「ああ。分かった。あんまりはやいのは嫌だよな?」
「、、、知ってるでしょ?」
ああ、もう。なんで把握してるかな。
しかも合ってるし。
何でこういうとこは敏感かな。
「まあね。伊達に彼氏やってないよ」
遊君はひどく嬉しそうで。
当たったのそんなに嬉しいの?
本当、単純。分かり易い。
「、、、図書室行く」
「うん。いってらっしゃい」
・・・・・
恥ずかしかった。
もの凄く。
というか普通に彼氏とかさらって言わないでよ。
もう本当。
遊君の彼女が私とか。
ほんとにいいの?
いまだに思うの。
だって、あんなに素敵な人なのに。
その彼女がこんなただの本好きって。
今度の休み、か。
、、、大丈夫かな。私。
