_12時_
集合場所に行くと、ほとんどの奴が来ていた。
「あ、来た来た。、、、っておい!!見せつけんなよ!!イヤミかおまえは!」
僕らに気付いたクラスメイトが言う。
仲のいい奴だけど、ちょっと口が悪い。
まあ、見せつける目的で手を繋いでた僕が悪いんだけど。
優が僕のって分かってない奴もいるからさ。
牽制?ってやつ。
優には散々恥ずかしいからやだって言われたけど。
多分、今も真っ赤になってると思う。
「へへっいいだろ、別に。カレカノなんだし」
「ああ、いや、まあそうなんだけどよ、あのさ、その。来栖さんが真っ赤だし、お前もちょっと赤いしでさ、なんつーか見てるこっちも恥ずかしいっつーか、なんつーか」
「え、僕赤い?」
優が赤いのは予想内だけど、僕もなってるの?
つい優の方を振り向くと、ばっちり目があってしまった。
予想以上に真っ赤で可愛い優がいて、熱が顔に集まってくるのが自分でもはっきり分かる。
絶対、今の僕かっこ悪い。
見られたくなくて、顔を伏せる。
「、、、あのな、お前ら2人してなにやってんだよ。いちゃつくのは後にしろよな。ったく。全員揃ったよな?行くぞーバカップルはほっとけ」
真っ赤になった僕の変わりに、光輝が仕切ってくれて、映画館に向かう。
ごめん。ありがとう。光輝。
もう一度、優の方を見ると、握ってない方の手で、ぱたぱたしてた。
「少しは落ち着いた?」
「うん。ちょっとは」
恥ずかしそうにしながらも、繋いだ手はそのままで。
むしろ、真っ赤なままなのに、体を僕にもたれかけて、
「何だかこれ、凄く嬉しい、けど、凄く恥ずかしい、ね」
なんて言うもんだから、僕はまた真っ赤になった。
「あ、赤くなったーふふっ可愛いなあ」
そう言って、僕の頭を撫でる。
ヒールの靴を履いているとはいえ、もともとの身長差が結構あるから、背伸びしてて。
優のほうが絶対めちゃくちゃ可愛いって。
「ああもう!可愛いのは優だろ!!」
僕は恥ずかしさも手伝って、優の頭をわざとぐしゃぐしゃになるように撫でた。
「ちょっと!遊君!」
