私の耳に飛び込んできたその小さな声は、久々に聞いた娘の声でした。

私はこらえていた涙が一気に溢れ出してきた。

私の事がわからなかったのではなく、美友なりに、

「なんて声をかけたらいいのかな」

そう考えていたのかも。

「入院している私と赤ちゃんだけが辛い思いをしている訳じゃない」

分かっていても、自分の事で精一杯だった。

私を見つめる美友の瞳、美友の目を見た瞬間、今までの寂しかった思いを伝えられた気がしました。