「笑顔をくれた 」~ありがとうを伝えたい~

しかし、下側にいた子は、破水しているため、羊水が減り身動きが取れず、いつも同じ場所に留まっていた。

お腹の中で寝返りも出来ず、時間と共に、どんどん下に押されていっていた。

心拍では元気に動いていても、身動きが取れないという状態はまずいのではないかと、診察の度、先生の表情が険しくなっていくのを感じはじめていた。

「このままでは、私の限界どころか、赤ちゃんの限界が来てしまう」

私はそう思っていた。