「笑顔をくれた 」～ありがとうを伝えたい～

どんなに限界だとか、無理だとかそんな言葉を並べても、やっぱり1日でも長くお腹の中にいさせてあげたいと思う気持ちが少しでも残っていたから、言う事が出来なかったのかもしれない。

どうしていいか分からなくなった私は、毎日痛さに耐え、毎日毎日泣いていた。

「涙が底をつくことはあるのだろうか」

そんな同じような事の繰り返しの毎日だけど、翌朝、翌朝と、優しく声をかけてくれる先生だった。

「1日過ぎましたので、また1日頑張りましょう」

「赤ちゃんは1日ですごく成長するから、いつまでって考えるのではなく、1日1日を目標に頑張れればいい」

私は体が震えた。

「頑張れ」

は他人事に聞こえるけど、先生は違った。

「頑張れればいい」

頑張っている私を認めてくれている気がした。