「笑顔をくれた 」~ありがとうを伝えたい~

いつも元気をくれる主人も、来る度には薬の数値を見ていて、きっと主人も怖くてたまらなかったんだろうと思いました。

みんなが一生懸命この状態を保とうと頑張ってくれていたのに、私はそれに答えられず、もうすでに限界を感じてしまっていた。

「限界…」

本当にそんなものあるのだろうか、もうちょっと頑張れるかもしれない、もう無理だ。

もう無理だと感じていた時は、先生が来る度に、

「お産にしてほしい」

何度言おうとしたことか。

でも、いざ先生が来ると、たったそのひと言が、私の口からはどうしても言うことが出来なかった。

たったひと言なのに、

「何で言えないの」

いつも先生の背中を見送りながら悔やんでいた。

「今すぐにでも、この体の中の痛みをとって欲しい、逃げ出したい」

そんな気持ちしか、もう残っていなかったはずなのに。