「笑顔をくれた 」~ありがとうを伝えたい~


主人は仕事があるので美友もすぐ帰ってしまったが、主人と美友は1日に2回も会いに来てくれていた。

それが嬉しさもあり、とても切なかった。

美友は帰るとき必ず、

「ママもいこっ」

ぎゅっと手を繋いでくる。

「一緒には帰れないんだ、ごめんね」

私はそう言っていつも美友の背中を見送っていた。

寂しい思いもさせちゃっていたけど、私は手を繋いでくる美友の笑顔が何よりも一番励みになり、素直に嬉しかった。

私の姿が見えなくなるまで、何度も何度も振り向いて、小さな手を一生懸命振ってくれていた。

でも私には、遠ざかっていくその小さな背中が、とても寂しそうに見えた。