「愛莉、家に着いたよ。」
「・・・また寝てた。」
「ゆっくり休めよ。」
「………」
ちゃんとけじめつけよう。
思ってること伝えよう。
「先生。大事な話があります。」
一瞬だけ先生の顔を見た。
先生もあたしのことを見ていて目が合った。
思わず逸らしてしまった。
「何で婚約者の方じゃなくて、
あたしと一緒に行ったんですか?」
「それは・・・」
「もう2人きりになるのは
今日で最後にしませんか?」
嘘ついてごめんなさい。
自分勝手でごめんなさい。
先生のこと、好きになってごめんなさい・・・
「先生といるのが嫌じゃなくて、
お互いにこういうの良くないと思います。」
「本気で言ってるのか?」
「・・・はい。本気です。」
今度は嘘ついてるの
わかってくれないんだ。
「わかった。」
「・・・ごめんなさい。」
「謝るなら、そんなこと言うなよ!」
先生が初めて大きな声で怒鳴った。
「ご、ごめんなさい・・・」
「だから謝るなって!」
「………」絶対に泣かない。
「早く降りろ。俺も疲れてる。」
「・・・はい。」
本当にこれで最後だ。
「何やってんだよ、俺は………」
