「ごめん!やっぱり今のは」
「いいよ。」
「えっ・・・ほんとに?」
「良太が頑張ったら、付き合ってあげる。」
「よっしゃー!!」
とても嬉しそうだった。
あたしのこと好きでいてくれたんだね。
気づかなくてごめん。
教室に戻ると先生が教壇に立っていた。
授業が終わって先生に呼ばれた。
絶対に怒られる。
「放課後、社会科準備室に来なさい。」
「今日は行けません。」
「・・・さっきまでどこにいたんだ?」
「先生には関係ないです。」
先生の目が怖い。でも負けない。
「これからは授業に遅れないように。それと」
「中原先生、これ教えてください!」
「あたしも教えて!」
「放課後いいですかー?」
「いや、放課後はちょっと・・・」
「だって今、吉沢さんのこと」
「わかりました。いいですよ。」
「やったー!先生大好き!!」
生徒からモテモテの先生。
見てると気分悪い。
「先生!ちょっと待ってください!」
「何ですか?」
ノートの端にお兄ちゃんからの伝言を書いて
それを先生に渡した。
「これ!」
先生はそれを見て少し笑った。
「ありがとうな。」
緊張が解けてホッとした。
あんなに怒った先生、初めて見たから。
