「担任の私が話を聞きます。」
「いや、ここは遅刻してきた本人と
生徒指導である私が話をするべきです。」
「彼女は授業がありますから。」
「担任が遅刻を見過ごすんですか?」
「本人から遅れると連絡ありました。」
「本当に病院行ってたのか?」
「病院に問い合わせてみますか?」
「そこまでしろとは言ってない!」
「どうすればいいですか?」
「・・・中原先生にお任せします。」
やっと2人きりになった。
「ありがとうございます。」
「手、大丈夫か?」
「はい。」
「唇から血が出てるのは?」
「これは・・・いろいろあって・・・」
「・・・そうか。早く授業に行きなさい。」
「………」
そばにいてほしかったのに
突き放された。
先生と生徒だから
これが当たり前なのに、つらい。
人をこんなに好きになるのは初めてだから・・・
あれから屋上に来ていた。
ほんとは立ち入り禁止なんだけど
良太が鍵の番号を教えてくれたから
入ることができる秘密の場所。
いつも泣きたいときに来る。
ここなら誰にも見られないから。
