病院に行って遅れたから担任に報告。


おそらく職員室にいないから

社会科準備室へ行くことにした。





最悪だ。生徒指導の山田がいる。



そのまま無視しようとした。


下を向いていれば気づかないはず・・・





「吉沢!また遅刻か!!」



「………」



「生徒指導室に来い!」



「授業始まってますから。」



「こっちは教室じゃないだろ?」



「それは・・・」



「私が代わりに指導しよう。」



「病院に行ってたから遅れたんです!」



「そんなの関係ない。遅刻は遅刻だ。」



「離してください!」



「お前、本当に体が弱いのか?」



「どうして・・・」



「走って逃げてみろよ。」



「………」




よく言われることだ。



気が強いから体が弱いことを
誰も信じてくれない。


このせいで苦労してきた。



あたしだって元気になりたいのに・・・





「何だ、その目は。」



「………」唇を噛み締めた。





「何してるんですか?」



やっぱり来てくれた。

いつも助けてくれるスーパーヒーロー。



「先生・・・」



「その手、離してもらえますか?」



あたしの腕を掴んでいた手が離れた。