想像通りの広い部屋だ。
しかも、意外に片付いている。
あの社会科準備室を見てるから変な感じ。
「お茶でいいか?」
「・・・はい。」
「そこのソファに座って。」
初めて学校で会った日のことを思い出した。
「体調は良くなったのか?」
「・・・もう大丈夫です。」
いきなり先生らしくなって
余計に嫌なことを思い出してしまう。
「ちゃんと謝ろうと思って」
「聞きたくない。」
「どうして?」
「そのことはもういいです。」
「………」
「少し外に出てきます。」
「でも・・・」
「ちゃんと帰ってきますから。」
あそこで先生の話を聞いてたら
絶対に泣いたはず。
もう絶対に人前で泣かない。
あれが最初で最後。
誰にも心配してほしくないし、
迷惑かけたくないから。
