ピンポンパンポーン


『1-A西条紅愛

至急理事長室にきてください』


…奏矢の声だ


その放送を聞いてパッと離れる


「じゃあ…私行くから」


そう告げると


「あぁ。…明日また屋上に来い」


「…わかった」


そう言って保健室を出た


そして小さくため息をついて歩き出した


奏矢がいるなら…きっとあの人だろうけど


しばらく歩くと


"理事長室"


と、書かれた部屋の前に来た


奏矢は扉に寄りかかっていた


そして私を見つけると


「おう」


そう言って手を挙げた


「ごめん、待たせた」


そう言うと


「いや、じゃあ入るぞ」


ガチャ


奏矢は何のためらいもなくその部屋をあけた