「こちら正面玄関、総長を確認。」


「…よし、こんにゃく作戦決行!」


「了解!」


「………………」




…私はこの日、彼らを本当のバカだと再確認した


──*


「じゃあ、作戦はこうだ。


まずメンバーを1ヶ所に集め倉庫の明かりを落とす


んで、それぞれの仕掛けポイントに数人配置して作戦が終わったら速やかに戻ってくる。


連絡は…スマホでいいだろ。」


「OK、蓮。じゃあ僕からは作戦内容だね


1.こんにゃく作戦
2.カラーボール作戦
3.ホラー作戦
4.濡れたスポンジ作戦

そして、ラストを飾るのは…僕ら!

5.総出で翔をお出迎え☆


どう!?」


「いいと思うよ、僕は。」


「俺は任せる。」


「くーちゃんも良いよね!おっけー!」


あの日、決まった作戦は本当に実行された


…この人達の行動力なんなのホント。


それにのるメンバーも似たようなものだけどさ?


「ちょ、紅愛邪魔!!」


えー…


「痛っ!何すんのバカ蓮!」


「あぁ?お前さっきから冷ややかな目向けやがって…


俺のメンタルどーしてくれんだ!」


た、確かに1人で回想してた私も邪魔だったかもしれないけどー…


だからって髪ぐしゃぐしゃにすることなくない!?


しかも力強すぎて痛いし!


翔聖と大違いだよバカっ


「あ、お前今翔と比べただろ!?リア充爆発しろ!うぜぇ!」


「当たり前じゃん!翔聖優しいもん!」


…なによ、自分はモテるくせに。


"できない"って言うよりは"作らない"くせに


ふんっとそっぽを向けば


「ほらほら、喧嘩しないよ2人とも。


蓮はこの後の指揮あるでしょ?」



「…あ、あぁ。へっ、またな!リア充!」


べーーっとイケメンには似つかわしくない変顔をお見舞いされた。


ほんと、蓮ってば黙ってればいい男なのに。


なんだか蓮の相手は疲れてはぁーっと息を吐き出せば


「紅愛ちゃん、ここ暑苦しいでしょ?


冷房効くまで結構かかるからモニター室に行くといいよ」


と、神様からの…いや透真様からの天の声が。


「ありがと、そうするね」


気にかけてくれた事が嬉しくて、笑顔で返すと


「うん、熱中症気をつけて」


透真も笑ってくれて、ちょっとだけ気分が上がった


「透真もね!」


そして、その好意に甘えることにして踵を返した



…に、しても



「龍。メンバーに繋いで」


「了解。

…おーい、みんな見えてるか?」


「見えてる見えてる!」


「やべぇ、緊張してきた」


大広間にこれだけ人がいると…(しかも男だけ)


熱気が篭ってて蒸し暑いし、なんか…うん。


確かに暑苦しい。


早く上行っちゃお


私は階段を上がり、モニター室を目指した。