「そうだ、前に言ってた事があるんだ


"今はそれでいい、皆の心の拠り所があれば


だけどいつかわかって欲しい


拳を合わせる事の本当の意味を"


って。」


「………紅愛ちゃんらしいね。


翔もそんな所に惚れたのかな」


「でた!バカっぷる!」


「あはは、今日デートでしょ?


でもね、紅愛ちゃんには感謝してるんだ


メンバーや幹部、もちろん僕も沢山救われたけど一番変わったのは翔なんだ


…僕は翔とずっと居たけどいつも無表情で周りに関心が無かった。なのに何かに怯えていて。


沢山のものを抱えてるのに弱音も吐かないで溜め込んで…ずっと心配だったんだ、いつか翔が壊れてしまいそうで


だけどそんな時出会ったのが紅愛ちゃん


そして…しばらく経った頃から翔は変わった


今まで凍っていた何かが溶け始めたみたいに色々な表情をするようになって…頼ってくれるようになった


輝の欠けている所…その最後のピースをはめくれたんだ」



「俺らは幸せだな、こんな良い総長の下にいれるなんて」


「…うん、そうだね」



「んまあでも、器用で不器用な総長様のおかげで散々えらい目にあったからなー」


「あはは、それは言えてる」


「やっぱ?メンバーだけならまだしも総長までだと、なあ」


「ね、2人とも他の事は器用にこなすのに自分の事になると不器用で全然素直じゃないから。


翔もやっと素直になったのにタイミング悪いし、見てて焦れったかったよ」


「っくく、だよな。


ああ、そう言えば透真はどうなんだよ?」



「ん?何が?」


「元カノのミウ…だっけ?そのへん。」


「…遥斗ってデリカシー無い人?」


「そんな事無いわっ……て、透真!


そのブラックオーラしまえ!」


「はいはい、しょうがないから遥斗には教えてあげるよ


実はね……………」





「……はあー!?」




この時透真が言った言葉は何だったのか、




「くくっ、秘密だからね」


「お、おお。」


それはよく似た2人だけの秘密らしい


END