【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



もう、こんな思い断ち切りたい


目を閉じて感情を押し殺す


それでもみんなの声は何故か段々鮮明に聞こえてきて


「「紅愛!!」」


嫌だ


「返事しろ!!!」


もう聞きたくない











「やめてよ…決意が揺るぐ…」


小さく呟いた、その時






「だったらそんな決意捨てろ」



…え?


愛しい声がすぐ間近で聞こえて思わず目を開けた。そして




「な、んで…」


飛び込んできた光景は酷く私を動揺させた


「なんで…っ…いるの…」


「なんでって迎に来たんだよ。紅愛ちゃん」


…輝と蒼桜が今、目の前にいる


「だって…奏矢…」


頭がこんがらがりすぎて言葉がまとまらない


思いを捨てようとしたとき、いきなり目の前に現れて迎に来たって…


「奏矢さんが教えてくれたんだよ。」


平然と答える遥斗


「なん、で」


協力してくれるって思ったのに


「んなことどーでもいいだろ?


何でまた消えようとすんだよ


今度は本当に俺達の事キライになったのか…?」


いつもは感情を出さない來愛の縋るような声に少しだけ頭が冷えた


「やめてよ、違う………私は……」


嫌いな訳、ないよ


ただ………


口を開きかけてやめた


もういい。十分だ


今回ばかりは決意を変えられる訳にはいかない


早く、一刻も早く帰ろう


…誰も私を待たない孤独な家に


私は口を閉じて目を逸らした


皆の光の宿った目に見つめられるのは眩しくてしょうがない


それに、合わせる顔なんてどこにもないから


「紅愛。」


怒ってるわけじゃない、だけど有無を言わさない威圧的な声に少し肩がピクッと跳ねる


こっちを見ろ。そう言ってるんだ


でも、できないよ


もうやだよ…苦しいよ


ダメなのに一緒にいたいって思っちゃう


頭と心が違う事を強調している


…もう、耐えられない





私は逃げた


「紅愛!!」


「紅愛ちゃん!!」


私を呼ぶ声がしたけど振り向く事なく走った


「はぁ…はぁ…」


でも、暫く動いてなかったせいかすぐに息が切れてスピードが落ちる


やばい、そう思った時には遅くて


「……………っ!」


グイッと腕が引っ張られて体が反転した


振り返った先にいたのは翔でその顔は…間違いなく怒ってた





「や…だ…っ!」


必死に振り解こうと暴れても痛いくらいに腕を掴まれていて動けない


「何が嫌なんだ」


反抗しても涼しい顔をしてる翔。


ただ冷静に質問をぶつけてくる


「離して!掴まれてるのが嫌なの!」


私がそう言うと


「それは無理だ、離したら逃げんだろ


じゃあ質問を変える。


お前は何で逃げる、何で俺達から離れようとする?」


その質問に、はっと息を飲む


「それは…」


言うの?私と翔の傷を?私の犯した罪を?


無理だよ…出来ない。


皆が許してくれたら私はきっと甘えてしまう


そんなのダメだよ


きゅっと、唇を噛んで俯いた