そんな事されたらその優しさに縋りたくなる
甘えて、一緒にいたいって思っちゃうよ
そんなの、ダメなのに
いっその事罵って嫌って欲しい
そっちの方が皆いいでしょ?
傷つくのは私だけでいい
…それから暫くして
「翔、そろそろ」
「…あぁ」
「じゃあね、紅愛ちゃん。また来るから」
ポンポン、と頭を撫でられる感覚がして二人は去っていった
あんなにも求めていた優しさが今になってこんなに痛いなんて。
でも、それでもやっぱりサヨナラだ
離れたくなくても会うのはこれが最後
その日、キッパリと未練を断ち切った
そして、私は3日後に退院が決まった
退院するまで輝や蒼桜の皆には転院の準備があるから、と面会拒否をしていた
私が姿を消す事についてだけど、それは奏矢が名案があるって言うから任せてた
きっと奏矢なら上手くやってくれるはずだし
…色々な準備で忙しくしていれば
そんなこんなであれから2日経った。
退院1日前になればすることもなくて奏矢に勧められて久しぶりの外出!
この病院、庭が広いから凄く気持ちいい
肌寒いけどポカポカ暖かい日差しもさしていて快適。
それで今は散歩も一通り終了して
休憩するために街が見渡せる高台のベンチに座っている
「………………」
…ついに、明日、か。
空を仰ぎ、ふと考えたのはそんな事
あんまり実感は無いけど明日にはきっと痛い程感じてるはず
人は何かを失って初めてそのモノの大切さに気付く
それではもう遅いのだけれど失わずに本当の大切さはわからない
私は何度も大切なモノ…人を無くした気がする
1度目は両親、2度目は兄弟、三度目は…多分、仲間
無くす、というよりは手放した、の方が正しいかもしれない。
"運命だった"とか、"しょうがない"なんて言葉では片付けられなくて本当に沢山苦しんだ。
私のせいで両親の記憶が無くなり紅雅が死んだ
それは変えられない事実で一生背負わなければいけない十字架
今でもふとした時に3人を思い出して悲しくなる事もあるけど
そんな時はいつでも輝と蒼桜の皆がいた
……だけど輝の姫と蒼桜の総長、嫌悪である二つのトップを手に掛けるなんて罪は大きすぎるんだよ
消えない罪はずっと私の中にあって例え蒼桜と輝が許してくれてもダメなんだ
そう、思って決心をした
なのにやっぱり私には二つのトップが何よりも大事だったみたい
だってほら
「「…………くれあー…!!!」」
皆が私を呼ぶ声が聞こえちゃうんだもん
ほんと、重症すぎだよ

