つまり、夜斗は刹影で紅羽と來馬は清羚。
戦いたくなんて無かったのに自らが作り出した呪いの渦に取り込まれて制御が効かなかった、と
「どうしようもできなくて途方に暮れていた時に一筋の光が差したんです
それは私の石…インカローズを受け継いだ女性で
名前を"ゆい"と言います
彼女はとても優秀な研究者でした
それも次世代に繋ぐ大きな研究を任されるような。
でも彼女は石を受け継いでしまった
…彼女は未来の子供にこんな悲惨な争いをさせないようにと全ての精力を注ぎ込み必死でこの事件を調べていました
そして彼女は見つけたんです
この事件の糸口を
でも…全てを終わらせるには決着をつけなければいけなかったんです
"石の意味を調べてはいけない"その違反を犯した彼女は
呪いによって殺されました。
…優秀な彼女、この国の未来を奪った私達は
もう許されないのです」
死ぬ事もできず自分の作った呪いが人を殺め続けるのを見てることしかできない
それは…死ぬ事よりももっと
辛い
許されなかったとしてもこれだけ苦しんで後悔したのだから開放されてもいいんじゃないか、そうは思ったけど口には出さなかった
「あれ、でも…月希は?」
月希と呼ばれる女の子はどうなったのだろう
清羚でも刹影でも無いなら呪いにはかかっていないの?
「月希は最初から最後まで自分の事じゃなく私達の事を考えていてくれましたから。人を殺す呪いにはかかりませんでした
でも、月希も浄化できずに此処に存在しています」
紅羽は悲しそうに笑う
それも、自分が巻き込んだ事だから。そう言いたいんだろう
「紅羽…」
眉を下げる私に紅羽はもう一度微笑んで
「紅愛さんは大丈夫ですよ
貴方は優しくて、強い
それに帰る場所があるでしょう?」
私の、帰る場所…
西条家でも夜影でもない
帰りたい場所。それは…
私はふっ、と息をついた
「ねえ、紅羽。一つ聞いていい?」
「はい、大丈夫ですよ」
「えっと…」
言い出したもののそれから声が出ない
まだ躊躇ってるんだと思う
だって、これはとても大事な事だから。
でも。聞かなきゃわからないよね
「石が人の人格を操れるのはずっと続くの?
それとも一瞬だけ?」
全て仕組まれてたなんて悲しすぎる
この出会いも、別れも必然だったなんて
目を伏せる私に紅羽は可笑しそうに、ふふと笑った
「大丈夫ですよ。
気持ちが操られるのも一瞬ですから
勿論、石を持っている事で気持ちが変わる事は多くあるんですけどね
それに、月希が早くこの争いが終わる様に手を加えていたみたいですが
紅愛さんが心配する事は何もありませんよ」
全てを見透かしたようにニヤッと笑う紅羽。
「うっ………………」
そっか紅羽はずっと見てたから知ってたのか…
顔に熱が集まるのがわかって余計に恥ずかしい

