【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



本当は任務が終わってからだったけど


冬詩がそう望んだのなら。


「はっ、いいぜ。お前が俺に勝てるのならな」


その言葉で場の雰囲気が変わった


私達の終わりはここだ。


「おい、勝手な事すんなよ」


その時困ったように話に入ってきたヒロ


「あ?お前と手を組んだのはコイツらを


ここに連れてくるまでだ。


指図すんなら今お前らごと消すぞ」


………っ


何も感情の篭ってない目でヒロを睨む冬詩


今のは、何…?


人睨みしただけでこの場に旋律が走った


背筋が凍るこの感じ


「…わかったよ。じゃあ後片付けはよろしくな


オイ、撤退するぞー」


あれだけ余裕だったヒロがあっさりと撤退なんて


冬詩の実力を認めてるってこと、なんだよね


あるいは恐れてる…か


「んで?まじでやんの?」


「あたりまえ


私はそのために大人しく従ってきたんだから」


でも怯んでなんかいられない


私は勝たなきゃいけないから


「その言葉、後悔するなよ」


余裕の笑みに私は目を細めた


「そんな睨むなよ。


じゃーこの銃弾が落ちたら開始な」


そう言って手のひらに乗せた銃弾を見せてきた


「わかった」


やっと…


やっと終わらせられる


長かった戦いが。


息を吸い込んで目を閉じた


「いくぜ」


そしてゆっくり目を開ける


手から離れる弾がスローモーションで下に落ちていく


私、頑張るからさ。応援しててね


私の大切な人達。


カランカラン…


弾が音を立てて落下した瞬間


刀を傾ける踏み込む



バン!


それと同時に向かってくる高速のもの。


…冬詩の打った銃弾。


冬詩は銃を使う


それも本気を出さなくてもかなりの腕前だ


そんな人が本気を出して銃を向けるものなら


私だって生きていられる確率の方が低い


それでも


パキーン!!


私はその小さなものが高速で飛んで来ようが


まっ二つに切り裂く





ーーー戦いは、今始まった









バン!


パキーン!


キュッ


広いホールに3つの音だけが反響する。


冬詩の銃を打つ音


私が銃弾を切り裂く音


そして、二人の足音


勝負は全くつかない


お互いが相手の実力を偵察しているから。


つまり平行線のまま時間と体力が減っていくだけ…


きっと、体力でいったら女の私の方が早くなくなる


それなら私から切り込むしかないんだけど


でもそれは大きなハンデ。


銃弾は打つ距離が至近距離になればなるほどかわすのが難しい


迂闊に近づいたら自分の首を締めるだけだから


「お前も弱くなったよなー」


ぐるぐると作戦を考えている時


ククッと笑った冬詩