【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



「…カンザキ、どうする?」


「そうね…」


聖蘭の主戦力がどこにいるかわからない今


全員で動かない方が効率がいいに決まってる


でも…シユウやクラウンのメンバーが危ない


それなら


「全員で周りを固めましょう


ルイ、聖蘭のいる所を調べて」


「了解」


幸いな事に今聖蘭は見当たらない


人材が限られている裏では一回の戦いで


あまり多く人を失うことは避けたい。


だからそこまで人を寄越さないはず…。


あくまで一般ではの話だけど


「先頭はツバサとツカサ


中央はシユウ、サイドはクラウン


後ろは私とセイラで行く」


私がそう言うと全員が頷いた


「それじゃあ行きましょう」








それから歩いて数分


…全く見つからない


聖蘭どころか人が一人もいないなんて


それに


「ビビビ…ヴヴ…」


さっきから電波が悪くて何も聞こえない


私達はダンスホールに来ていた


それも、とても大きな。


ここなら聞こえると思ったのに…


通信が使えないのはかなりマズイ


来る前に点検したのになんで聞こえないの?


中が電波を通さないから?


…いやここで生活してるならそんなことはありえないわ


だったら…
















わざと?


嫌な疑問が頭に浮かんだ


その時


「カ……を………敵………る…ビビビ…」


「え、何?ルイ!うまく聞こえないわ」


ルイが何かを言ったのに何もわからなかった


でも嫌な予感が募る


「ねえ、誰か今のわかった?」


私が呼びかけると皆が首を傾げた


でも


「カンザキさん…」


一人だけ…


シユウのリーダー、リョウの顔が青ざめていた


「リョウ…?」


「あの…もしかしたらなんすけど…」


俯き、怯えるようにしているリョウ。


任務に挑む時はそんな怖がってなんかいなかったのに


あきらかに様子が変だ


「大丈夫。話して」


肩に手を置いて少し微笑むと


リョウは少し目を見開いて


「…違ったらスイマセン


さっきのルイさんの言葉なんすけど…


俺にはこう聞こえたんです















"カンザキ、気をつけろ。敵は後ろにいる"」


その言葉に


全員が息を呑んだ


敵は、後ろにいる…?


後ろを振り返った瞬間



バチッ!!


ホールの電気が消えた


真っ暗で何も見えない視界の中


まずい…!


それは直感で感じられるものだった


「全員戦闘態勢、気をつけて!」


…これは本当にまずい状況


敵は後ろだと言っていたけど、


この大きさのホールならどこに敵が潜んでいるのかわからない


直前に敵の姿を見ていたのなら別だけど。


向こうは私達の場所がわかっていて


私達は敵の場所を知らない


それがどんなに大きなハンデで危険なのか


全員がわかっているから。


だからみんな焦っているんだ


…早く敵を見つけないと!


目を閉じて神経を集中させる


なのに


「ぁ…っ!」


小さく聞こえる悲鳴がなりやまなくて


今の瞬間もメンバーが傷ついてるのなんてわかってる


なのにどうしても集中力が切れてしまう


…もうだめなの?


ここで終わってしまうの?