話さなかったんじゃない、話せなかった
そうだったら紅愛は輝に過去がバレたと知ったら
きっと輝を捨ててしまうから
「全ては僕達と紅愛を守るためだったんだね」
透真が下をむいて自嘲的に笑う
誰もが言葉を発することができなかった
「お前ら紅愛を傷つけた事あるんじゃないか」
「少なくとも俺は紅愛が泣きそうな顔してる所
何度か見たぞ」
…そうだったんだ
確かにそれは輝が悪いかもしれない
でも
多分言うタイミングを失っただけだったんじゃないかな
きっと言いたかったはず。
「それでも紅愛を支えていたのは輝です
紅愛を変えられたのは僕達じゃない
あんなに笑う事昔は無かった
悔しいけど…。
僕達は紅愛の優しさに甘えて信じる事しかしなかった
だから…みんな間違ってたんだ」
僕達は間違える
でもそれを優しく見守ってくれてたのは紅愛で
いつも道を示してくれてたんだね
「なら…こんなことしてる 場合じゃないよね」
楓が言う。
その通りだ
もう迷ってる時間なんてない
諦めて立ち止まってる時間も無いんだ
「じゃあまずはお互いの持ってる情報を
共有してそこから絞っていこう
どんな小さなことでもいい。
何かある?」
なにか知ってることといえば紅愛の過去だけど
舞龍の事が今回の事に繋がってるとは考えづらい
もう何も無いのか全員が眉を寄せる
「あ、関係あるかはわかんねーけど1つ」
その時声を発したのは奏矢さん?だった
「紅愛、街では
カンザキ サクラって、名乗ってるって言ってたな」
カンザキ サクラ?
聞き覚えがない
僕はふと周りを見渡した
皆首をかしげてるように見える
でも
「…………………?」
そうじゃない人は2人いた。
「翔と透真、何か知ってるのか」
奏矢さんの訴えかけにも反応せず
ただ、信じられない、という顔をしている
二人はカンザキ サクラを知っている…?
「どういうことだよ?」
ナギサも意味がわからないと言うように首を傾げる
それでも透真は何か考えを巡らせてるのか頭に手を添えていて
翔は僕が見ても分かるほど動揺しているように見えた
一体なんなんだ?
すると
透真と翔は目配せをした
まるで、信じたくないとでも言うように
「僕と翔は秘密警察組織の一員なんだ」
それは初めて明かされる二人の秘密
「裏世界には絶対的な対立した戦力
白の聖蘭と黒の夜影がいる
聖蘭は正義、夜影は悪
勿論僕等は聖蘭の方だけど
カンザキは…黒、夜影だ
任務が一番難関な人さらい部門。
その中でもトップクラスの技術を持つ最強の
"女"」
おん、な…?
それって…
カンザキは紅愛だって言いたいのか?
「そう。多分カンザキの正体は
紅愛ちゃんだ
カンザキは数年前にソロで名を馳せていた。でも
忽然と姿を消した
そして紅愛ちゃんが居なくなった丁度その時期
カンザキは部下を連れて再び現れた」
紅愛が?
嘘だろ…?
裏の人間なんて
信じられない
「…まだわからない
明日僕等は任務に行くけど
たぶん夜影もいるはず。
だから確認してくるよ」
それが一番無難だ
でも
「そんな余裕あるのか…?」
一番は、これだよ
すると透真は
「いや…無いと思う
前回もカンザキのグループに惨敗して
大きな損害を出したからね」
「でも、やるしかないからさ」
そうだ。あれこれ言ってる場合じゃない
「じゃあ俺らは俺らにできる事なにかしようぜ」
「そうだね」
そうして皆は情報収集のため街に繰り出した
ねぇ、紅愛。
僕等はたくさん間違えてたんだね
でも紅愛はそれをわかっていながら
優しく見守っていてくれた
居なくなってから気づくなんて本当に遅い
No.1の幹部って言っても
紅愛がいなきゃ何もできない子供だった
…だから僕等は僕等なりに君を見つける事で
少しは成長した姿を見せるよ
今度は同じ歩幅で進めるように。
だから、お願い
どうか
無事でいて…
〜遥斗side end〜

