【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~




「任務の話は以上。


それじゃあ自由にして」


私は真っ直ぐみんなの待つ部屋に向かい


任務の説明をした


それも特に問題もなく終わった


「カンザキ」


自室に戻ろうとした時


ふとルイに呼び止められる


「どうしたの?」


何か質問かな?


…もしくはあの事


私は振り返ってルイを見る


「いや…カンザキは任務まで何してんだ?」


「今日は暫く後輩と話して


お昼頃には少し街の方に行こうかな」


今日で此処が最後だからだと言って


特別何かする訳でもない


勿論それは思いれが無いとかじゃないけど


最後に変に思い出を作ったりなんかしたら


残されたメンバーはきっと困ると思うから。


「そっか…


でも無理はするなよ」


「うん。ありがとね」


そして二人で笑いあった













「じゃあ…ありがとうございました 」


「全然。…頑張ってね」


「はい!」


朝の11時頃。


ミズキの要件はクラウンの相談で


私はいつも通りちゃんと考えて答えた


私に言えることはかなり限られているけどね


いつの間にか更にたくましくなった背中に少しだけ口が緩む


もう私がいなくても大丈夫だよね…


なんだか息子を送り出す気分。


17の小娘が何言ってんだって感じだけど


っと、もうこんな時間か


アレクトの皆は多分城の中にいたし


一応昼食は作っていくか。


ゆっくりと立ち上がって厨房に向かった















「…よし」


ラップをかけて冷蔵庫に入れればOK



ささっと洗い物をして片付けたら


私はカバンを持って玄関に出た


今日はカンザキとしてじゃなく


西条紅愛として街に出る


だから少しお洒落しようかな?なーんて


それでも昔みたいにスカートははけないけどね。


まあいいや


今日はあの人達を偵察…


いや、一人の取り巻き、ファンとして見に行く


きっと彼らの姿を見れるのは最後だから


…そう考えたら胸がぎゅっと痛くなったからやめよう



それでも見れるのなら良いよね


私はスニーカーに足をつっこんで外へ飛び出したーー






















~遥斗side~


紅愛が居なくなって4ヶ月


彼女は未だに見つからない


…手がかりですら一向にないままだった


輝と手を組んだ時一筋の光が見えたと思ったのに


4ヶ月たった今でも光は一筋だけ


ありとあらゆる街を探したのにも関わらず手がかりは0


僕達は焦りの色が見え始めていた


…いや自分達で潰してるって言った方が正しいか


今はただ闇雲に探してる


僕達は一番重要な紅愛の"過去"を言えないままなんだ


勿論、勝手に言っていい話でもないけど


引っかかっているのは紅愛の秘密を知った輝が


紅愛から離れていかないのか


こんなに必死で探しているんだから


その可能性は低い。でも


本当に紅愛の過去を受け入れられる?


受け入れられるのなら何故紅愛は隠したのだろう


何か、何か意図があるはず


それを無視して本当に打ち明けてもいいのか?


…わからない


でも何となく時間が無い気がするんだ


ただの悪い予感だけだけど


こういうのってよく当たる


決断の時はすぐそこまで来ていた






カチャカチャカチャ…


静かな幹部室の中でパソコンの音だけが響いていた


幹部室を包む静寂


それは一件のメールを見ての事だった



20分ほど前、輝の副総長透真からメールが届いた


内容は


"紅愛ちゃんに関する手がかりが見つかった


1時間後輝の会議室に来てもらえる?"


というもの。


やっと、やっと届いたんだ


紅愛に続く道が欲しいという願いが


その情報はどういうものかはわからないけど


聞く価値は十分過ぎるほどある


1時間後、その言葉が僕達に緊張を与えていた