「いよいよ今日、だな………」
ルイは私にしか聞こえない声で呟く
次の日の朝
朝食を食べる私達の間にはなんだか妙な緊張感に包まれていた
私達って言ってもそれは私とルイのだけど
「そうだね」
だけど私の気持ちは晴れ晴れとしていた
「後悔はしないのか?」
最後の確認と言うように聞くルイ
…後悔?
そんなの
「もういいってほどしてきたから」
あなたもそうでしょ?と、私は笑顔を向けた
するとルイも目を細めて笑った
「じゃあミーティング行ってくるね」
「ああ」
毎朝行われるグループリーダーの会議
そこで全部の班の任務がわかる
それに出席するため私は席を立った
「あ、カンザキ会議いくのー?」
その時いつもの通りツバサと戯れてたツカサが私に声をかける
「うん」
「そっか!いってらっしゃーい」
「カンザキ!いってらっっしゃーーい!」
「いってらっしゃい」
私が頷くと口々にそう言ってくれる皆
「ありがとう。行ってくるね」
たったの会議だけどアレクトはこういう挨拶を欠かさない
…本当にいいグループだと思う
部屋を立ち去る前もう一度皆を振り返った
最後に見た私達の団らんはいつもと変わらない
笑顔に溢れている光景だった
それに少しだけ泣きそうになったのは秘密。
グループリーダー会議。
今日も着々と進んでいた
任務の発表は下の班からだから
私達は本当に最後
「最後にアレクト」
「はい」
「今日は3チーム合同。
任務は…
聖蘭の一人を拘束すること」
「はい」
今日は三チーム合同か…
「後の二つはクラウンとシユウだ」
クラウンはアレクトの弟分のようなグループ
よく一緒に仕事をしているからもう慣れたもの
そして、シユウは…
最近できた新生のグループ
特徴も何もわからない
アレクトもまだ創設されてから4ヶ月程だけどね。
その3グループが合同ってことは
シユウの育成ってことなんだろう
「リーダーはアレクトだ」
私は立ち上がって任務書を受け取った
「会議は終了だ。解散」
masterの合図で皆バラバラと席を立つ
私もその一人。
すると
「カンザキさん!」
私に話しかけてきたのは
「あぁ、ミズキ」
クラウンリーダーのミズキ
女っぽい名前だけど見た目はバリバリ男
背も高いしイケメンだと思う
特徴は…黒髪に少し青のメッシュが入ってるとこかな
ミズキは優しくて、それでも時には厳しい
リーダーに相応しい器を持った人
クラウンはきっといいグループになると思う
「あの…今日の任務夜中ですよね
それまで少しお時間ありますか…?」
顔を少し赤くして照れたように言うミズキ
時間って何の用だろう?
「今日は訓練もないし大丈夫だと思う
…どうかした?」
「あ、いえ…そういうわけじゃ…」
どうしたんだろう?
ここじゃ言いにくいことなのかな
「わかった。
じゃあお互い任務の伝達があるから
1時間後、私の部屋に来てくれる?」
「えっ!カンザキさんの部屋ですか!?」
おっとりしたその大きい目を更に大きくして驚くミズキ
そ、そんなに驚かれるとは…
「あっ、ごめん…別の場所がいいよね」
へんにカフェとか行くよりも
その方が楽かなって思ったんだけど…
すると
「いやいやいや!光栄です!ぜひ!」
…どっちなんだ
まあいいや
「あの」
じゃあ1時間後に。
そう言おうと思った矢先、誰かに話しかけられた
その声に聞き覚えはない

