【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~




これが私の過去の全て


私はこんな汚い人間


輝や蒼桜と一緒にいられる権限もない


そんな過去を隠してただ仲間でありたいと願ったなんて


ほんと、笑えるよね


だけど


それでも彼等と過ごした時間は嘘じゃないから。


蒼桜と過ごした時間も輝と過ごした時間も


本当に楽しかった


私の本当に大切な人達






だからこそ守らなきゃって思うから


恩返しがしたいと思うから


笑顔が見たいと思うから


私は命を掛けて戦うよーーーーー










「もう、寝ようかな…」


本戦は明日。


しっかり備えないとね


ガラガラ…


私はバルコニーから出て部屋の中に戻った


だけど電気を消して目を瞑っても全然来ない睡魔


瞼の裏に焼き付いているのは思い出


おかしいなぁ


仁さん達と崖から落ちた時は何も感じなかったのに


今は思い出が溢れるように出てくる


それも辛かったものじゃなくて


楽しかった事や嬉しかった事ばかり


蒼桜、輝どちらの族でも共通した事は多いけど


やっぱり幹部やメンバーと話した時間が一番好きだった


本当に些細な事がはっきりと思い出せるんだ


ねぇ、紅雅。私ね


凄く凄く幸せだったよ?


本当に良い仲間と出会えて


一緒に居れて。


記憶が無くても人を疑っちゃったり


悲観的になる癖は相変わらずだったかもしれないけど。


先の事は全然決めてない


石の後継者とかさ。


結局石の謎は解けなかったんだよね


…moon stoneも探せなかったな


本当は私の代で終わらせたかったけど…ごめんなさい。


後悔とかやり残したことは無いと言えば嘘になるけど


それでも良いよね?


もう十分だよ


あの時、私を救ってくれてありがとう


こんな楽しい時間を与えてくれてありがとう



辛かった事も苦しかった事もすごい多かったよ


でもね




















"生きてて良かった"




初めて苦しいくらいに心から思えた











もちろん輝や蒼桜のみんなにも感謝しきれない



私って幸せだなぁ


今更気づくって遅いね


だけどあと少しだけ…


ほんの少しだけでいいから


この幸せを噛み締めさせてください。




眠りに落ちる寸前


頬に一筋の涙が滑り落ちた