「なぁ、ねぇちゃん、俺とイイコトしない?」
その時肩に触れた汚らわしい男の手が
私のリミッターを外した
「………ぁ…………っ…!」
目を開き横目で男を睨みつける
それも感情なんて全くこもっていない邪悪な目で。
男は硬直して動かない
「汚い手で触るな」
そう吐き捨てて私は歩き出す
私の行かなければならない所はただ一つ
そこに行けば全てが終わる。
それは私か
それとも
炎薇か
「潰してやる…」
1人でに呟いた言葉は
「な…んだ?この殺気…」
静かに、でも強く響いた。
…ここ、か
私は真っ黒に塗られた倉庫を見上げる
"炎薇本部"
人を寄せ付けない雰囲気を醸し出していても
今の私に迷いなんてなかった
待っててね、紅雅。
すぐに仇を打つから。
ガッシャーン!!!
その瞬間シャッターが吹き飛んだ
「な、んだ…!?」
暗がりの中で見えるのは人、人、人
素行を暴いて証拠にするものは流石に無いけれど
それは二の次だ
私は無言で倉庫に足を踏み入れる
「姉ちゃん、こんな所になにしに………カハッ!!」
近づいてきた男を蹴りで吹き飛ばした
「中川は…どこ…」
今は雑魚なんて相手にしてる時間はない
「中川さんだと?ガキ何言ってやがる」
「いいから早く出せ」
「調子に乗るなよ…!!」
そんなつもりは無いね
出さないなら早くくたばってもらう
私は手当たり次第殴って、蹴り飛ばした
自分なんて全く見えなくなるほど
血を見るまで手を休めること無く。
中川もそうだけどコイツら全員許せない
憎い
本当は殺してやりたい
でもそんな時間はないから
早く全員這いつくばれよ
少女の瞳は月光に照らされギラギラと赤く輝く
瞳の奥は黒い炎に支配されて。
隠しきれない憎しみがオーラとして滲みでている
いきなりの襲撃に炎薇全員はこれ以上ない恐怖を覚えた
「た、助けてくれっ………」
今更命を乞う奴らに吐き気がして
余計に私を苛立たせる
「中川はどこ」
「ぁ……ぅ…くる…し…」
そしてイライラがピークに達した私はついに
相手の胸ぐらを掴んで壁に押し付けた
もう正気でなんていられなかった。
時間が、
中川が居ないという事実が
私を焦らせる
「ぁ……ぐ…コン…ピューター……室…」
…コンピューター室。
「ぐぁっ!!」
私は用が無くなった男を地面に叩きつけ歩き出す
「…っおい!待やがれ!」
鬱陶しい
「私の邪魔をするな」
振り返って全員を睨みつける
すると
いきなり人が倒れ始めた
…思えばこれが私の殺気の原点かもしれない

