【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~






「紅雅……?」


どういうこと?


「…っ!紅愛、来るんじゃねぇ!」


え?意味がわからないよ


なんで紅雅は銃を向けられてるの?


来るな…って待ってるって言ったのは紅雅でしょ?






あれ


ほんとに…?


銃を突きつけられてるのに私を呼べる?




まさか








「……罠?」


私が呟くと


「あはははは!!!!」


紅雅に銃を向けている男は声をあげて笑った


まるでなにかに取り憑かれように


「妹ちゃんは頭がいいんだね~


だから~選ばせてあげるよ~


兄が死ぬか妹ちゃんが死ぬか~


選んでいいよ~?」


「てめぇ!!」


「おっと~?暴れると妹ちゃん殺すよ~」


そう言って男は私に銃を向けた


…頭が全然ついていかない


紅雅が死ぬか私が死ぬの?


なんでこうなったかとかそんなのわからない


でもただわかっていること、それは


私も紅雅も死んじゃいけない


ママとパパに救ってもらった命


簡単に捨てられないから


なにか方法はあるはず


冷静になって考えるんだ


もしもその方法が無かった時は


…私が紅雅を救う。


しばらくの沈黙のあと私は口を開く


「死ぬのは私でいい。


だけどその前に教えて欲しいことがあるの」


「紅愛!!!」


紅雅は私が殺されるのを恐れてか体を精一杯こっちに向けて叫ぶ


「ん~いいよ~、なに~?」


「あなたは何者?なぜこんな事をするのか全部教えて」


もし紅雅が生き残ったらそれを手がかりにしてほしい


もうこんな事起きないように。


「俺はね~炎薇専属の殺し屋だよ~ん


名前は~、東 流聖ーazuma ryuseiー


そんなもん~?」


専属の殺し屋ってやっぱり…


炎薇は黒だったんだ…


炎薇皆の憧れの族


今じゃ族と言っても嫌な顔をされない位有名で


とても優しい族なんだって皆信じてるのに


それを裏切るなんて


「炎薇はなんで皆を騙すような事をしているの?


それにあなたは何でそんな族の殺し屋なんかやるの?」


すると男は…いや東はゆっくりと目を細めた


その姿は酷く悲しそうででもどこか怒りを感じる


「知らねぇよ。でもな俺は、炎薇が殺したい位憎い


あいつらはなぁ俺を自分達のところに引き抜くため


家族をめちゃめちゃにしたんだよ!」


「そんな…」


語尾を伸ばす喋り方はわざと、これがきっと本来の東


そしてどんどん暴かれる炎薇の悪行


もうやっていることは裏と変わらないし


人々を裏切っているのはもうそれ以上


東も被害者だったんだ


その悲痛の叫びは誰にも拾われること無く消える


そんなことあっていいの?



…そんなのだめに決まってるよ


「きっと今からでも間に合う


だから殺し屋なんかやめて家族立て直そうよ」


東は目を見開く


ありきたりな言葉だし何がわかるんだって思うかもしれない


でもやっぱりまだやり直せるって気がするから


心がそう言ってるように聞こえるから