ぐったりしている妹の姿があった
捲くった袖からは所々が痣だらけ
それは怒りを押し殺すことなんて到底できない画像だった
冷静になる事も忘れ紅雅は男の胸倉を掴み
誰もが怯むような剣幕で男を睨みつける
「てめぇ俺の妹になにしやがった」
「ん~ちょっと大人しくしてもらっただけ~」
一瞬怯んだ男、しかし何事もなかったようにヘラヘラと話し出す
それが相手を苛立たせる事だと男はわかっている
紅雅はもう一度男をにらむと拳をふりあげた
しかし
「あれ~そんなことしていいのかな~?
妹さん俺らのらとこにいるんだよ~?」
初めからこうなることがわかっていたように自信たっぷりに言う
「…………っ」
紅雅は何も言えない
もし、紅愛になにかがあったら?
…そんな事考えたら気が狂いそうだ
冷たく張り詰めた空気の中で一日中英才教育を受ける毎日
かけられる期待がプレッシャーにしか感じられず苦しくて
悩んで悩んで決めた事は西条家と縁を切ることだった
後継ぎは紅愛には行かないと思ったから家を出ることにあまり抵抗はなくて
あるとしたら紅愛が心配だった
あの家に1人。
だけど連れていくわけにはいかなかった
まだ小学生の女の子を夜の街に連れてくなんてできなくて
道を踏み外してほしくなかったから…。
なのに
偶然会った母さんは
"今頃家の中で座学に苦しんでるはず"
そう言って冷たく笑った
そこで初めて紅愛が後継ぎになってしまった事に気づいた
何で言わなかったのか、それは俺のため
正直紅愛だけが苦しんで自分が遊んでるなんて許せない
でも紅愛が必死そうに頼む所を見ると断れなかった
ごめんな…。
その代わりいつまでも俺はお前を守るから
俺はそう誓ったのに
「はい、じゃあ地面に膝ついてね~」
俺は男の言われた通り地面に膝をついた
「携帯ぼっしゅ~」
そして俺の携帯を抜き取るとなにやら操作をしていた
紅愛、ごめんな。まだ守れなくて…
ブーブー
「はぁ…、メール?」
家を出て少しした頃携帯を開くとメールが来ていた
それも紅雅からの
"○○の裏路地で待ってる"
内容はこうだった
裏路地…?
どうして裏路地に行く必要があるんだろう
…まぁいっか紅雅にもきっと色々あるんだろうし
"了解"
そして返信をすると再び歩き出す
裏路地は結構近いからすぐ着きそうだしよかった
そして5分位歩いて
「ここ…?」
指定された裏路地は錆びれて廃墟になったところが多い治安がどうみても良くない通りだった
こんなところに何があるの?
ゆっくり歩みをすすめる
そして

