そして抗争当日
"じゃあ、行ってくる"
15時を少し過ぎた頃紅雅から来たメールの画面を開いたまま携帯を握り締めていた
私には何もできることが無いから安全な家で待機
全部終わったら会う約束をしている
"うん、がんばってね。いってらっしゃい"
と、返したメールで紅雅は少しでも元気になってくれたなら。
どうか、無事で…
そう願ってどれだけの時間が過ぎただろうか?
ブーブー
ふと携帯が音をたてて振動した
急いで開いて中身を確認する
"終わったよ、ちゃんと勝った。
今から会える?"
「…………勝ったんだ!」
嬉しさが込み上げてきて飛び上がりたいほどだった
"よかった…。会えるよ、今から向かうね"
急いで返信をして家を出る
無事なのはわかったけどなんとなく心配で
早く無事か確かめたい
私は走った
これが罠だとも知らずに
その頃、抗争を終えた舞龍の倉庫では
「あーやっと終わった…」
「結構疲れたね」
抗争を終えて皆が床に大の字で広がっていた
ブラックエンジェルは結構な大人数、
それに裏の上位なだけあって骨はある
それを少人数で倒したため体力をかなり消耗していた
「あ、悪い。俺紅愛迎えに行く」
しかし彼はそれでも紅愛に会いたかった
自分は無事だと伝えたくて
心配をいち早く解いてあげたくて
心の中にある小さな違和感は気づかないふりをした
歩くと所々が少し痛む、それでもゆっくりバイクに近づく
そしてまたがると携帯を開き
"終わったよ。ちゃんと勝った
今から会える?"
そう送る
意外にも返信は早く
"よかった…。会えるよ、今から向かうね"
安心したような文章に安堵のため息をこぼす
早く行ってあげないと
彼はバイクにエンジンをかけると走り出した
しかししばらく走ると
「なんだあいつ…」
後ろをずっと走っているバイクに違和感を覚えた
やに近づいてきたり離れたりと明らかに挑発している
いつもならそのテクニックで撒くが時間もない
もしこの距離で撒けなければ紅愛に危険が及ぶかもしれない
紅愛に少しでもリスクが及ぶならそれを選ばない
そう考えたらバイクを止めるしかなかった
路肩にバイクを止めると後ろの不審な男はこうなることをわかっていたようにゆっくりと後ろに止まる
「何のようだよ」
紅雅は一刻も早く行きたかった。
こんなところで油を売っているわけにはいかないから
「随分と急いでるようだな~舞龍の総長さんよぉ~」
男はヘラヘラとしながら近づいていく
そしてそこで言葉を切るとニンマリと笑って
「だから単刀直入にぃ~言うけど~
妹さん、もらっちゃった~」
「あぁ?てめーなに言ってんだよ」
紅雅は眉をひそめる
「えぇ信じてくれない感じか~
んじゃあこれは~?」
そう言って差し出された携帯には
「っこれ…」

