だけど、それを表に出すことは無かった
西条家と紅雅の等式は狂ってしまったから
今日も私はパソコンに向かう
今日で、終わらせられるはず
あとほんの少しでロックがとける
カチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチ
カチッ
「……………開いたっ」
やっと、やっとだ
私は食い入るように画面に目を通していく
電子メール、資料、片っ端から読んでいった
「な…に…これ…?」
だけど現実は甘いなんてものじゃなかった
まさか、あの違和感が現実になるなんて。
"次のターゲットは舞龍だ。"
そうかかれたメールの差出人は
炎薇だった
あの、どこの族からも憧れられるNo.1の炎薇が
黒幕?
そんな…
信じたくない信じたくない、そう思う心情の中で
やっぱり。と辻褄があうことに納得した自分もいた
玲さんの言った言葉と仁さんの言った言葉矛盾
"それでも守る覚悟はあるし力もある
だけど万が一を考えて注意して動いて欲しい"
その実力があるのなら
"俺達を潰したい奴らにとってこんなチャンス見逃すわけない"
何故そんなに恐れているの?
何に怯えている?
幹部のみんなの間に流れる空気は重々しく厳しい
普通の族が狙うとしてそこまで深刻に考える事があるの?
だとすれば
皆はこの事を知っていた
そういうことでしょ?
炎薇は一切悪事には手を出さない優しい族
前に皆は
「舞龍もいつか炎薇とか輝みたいな族になりたい」って
…なのに正義だと信じていた族の信じられないやりとり
"次は"とはつまり何度も同じ行動をしたということ
新生の星といえど設立して間もない族にNo.1を倒す術はない
裏切られた気持ちと共に次は自分達だという恐怖、絶望
守らなければいけないメンバーと私
みんなは想像を遥かに上回るプレッシャーと戦っていた
私には何ができる…?
その疑問に答えが出ることはなかった
それから数日たった頃のこと
「え?ブラックエンジェル?」
「裏のけっこー強いトコロ。」
「そんな、大丈夫なの?」
「ん?へーきへーき」
紅雅はそう言って笑うけど抗争なんて…
ブラックエンジェルもそんなにやわじゃないはず
それに気になるのは炎薇
あれから何日かたったけど目立った動きは無い
何か凄く嫌な予感がする
こういう予感って大抵外れないから嫌いだ
でもわかっていながら何もできない私自身ももどかしくて嫌いだよ………

