【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



なのに。


一週間たったある日のことだった


「やっほー」


舞龍にも打ち解けてきた頃


いつもの様にメンバーの挨拶も終わり


幹部室に顔を出した


いつもだったら


「いらっしゃい!」と微笑む柊さんか


「くーちゃーん!♪」と飛びついてくる玲さんか


「よぉ」と短く挨拶してくれる仁さんの声がするのに



今日は













「紅愛、本当の事言え」


紅雅の鋭く冷たい声だった


「え…どういうこと?」


「お前跡継ぎなんだってな」


「………っ!」


なんでそれを?


気づく要素なんて無かったはずなのに


…ってことはまさか


「そう。今日ばったり母さんに会ったんだよ」


私の考えを見透かしてか紅雅が言う


最悪だ


お母様何てことをしてくれたの


「なんで隠してた?」


もう隠せない


これ以上黙っていたら紅雅に嫌われる


「だって…私が跡継ぎだなんて言ったら


舞龍を捨てて戻ってくるでしょ?」


わたしがそう言うと紅雅はバツが悪そうな顔をする


…やっぱり


「だからだよ。紅雅は今まで私の為に頑張ってくれた


だから!私も紅雅の役に立ちたかったの!」



「紅愛…でも…」


「いいの、お願いこのままでいいから」


どんな条件でもそれだけは譲れない







「はぁ…わかった


そのかわり毎日顔見せに来い」


しぶしぶ折れてくれた。


そんな心配な顔されたら凄く申し訳ないけど


みんなに会えるなら嬉しいと思った


今日から新しい生活が始まる。


もう孤独とはおさらばできるんだ


私は暗闇の中に一筋の光を見つけた。



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日が沈む少し前、小さな丘で少年と少女は立っていた


「來馬…あのね…」


少女は顔を真っ赤に染めて必死に言葉を紡ぐ


「まって、俺から言わせて」


しかし少年は少女を止める


「紅羽ずっと好きだった。付き合って欲しい」


そして少年は少女と同じように顔を赤らませて言う


「…っはい…私もずっと好きだった」


日が沈む寸前二人の影は重なった






しかし



「ふざけんじゃねぇよ!」


とある少年はそれが許せなかった


「きゃっ…夜斗やめて!」


宥めようとする少女なんて見えてい


「うるせぇよ!黙れ黙れ黙れ黙れ!」


少女に少年を宥める力なんて持ち合わせていなかった














「殺してやる!」


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